1. ハードウェアガイド(LTE拡張ボード [LM2])
1.1. メインボードでのミニスペーサーの使用について
Spresenseのメインボードを拡張ボードと組み合わせず単独で使用する際には、4隅にミニスペーサを設置すると便利です。
ミニスペーサとそれを基板に固定するネジには、ネジ径2mm、長さ3mm以上の樹脂製のものが使用できます。
これらはメインボードの製品パッケージには付属しておりませんので、別途ご用意ください。
金属製のスペーサとネジを使用した場合には、GNSSの受信性能に著しい悪影響を及ぼします。かならず樹脂製のものをご使用ください。 |
下記に使用可能な樹脂製のミニスペーサとネジの例を示します。
製造会社 | ミニスペーサ | ネジ |
---|---|---|
廣杉計器 |
AS-2003 |
PC-0203 |
1.2. メインボードにAdd-onボードを装着、取り外しする際の注意
Spresenseはメインボードに専用のAdd-onボードを装着することが可能です。
Add-onボードを装着、取り外しする際には、Spresenseメインボードのピンソケットに対して必ず垂直方向にゆっくりと装着 または取り外しを行ってください。
Spresenseメインボードに対して回転角を持つような取り外しを行いますと、Add-onボードのピンを曲げてしまう ばかりではなく、Spresenseメインボードのピンソケット内部のコンタクト金具を変形、破壊する故障の原因となります。 |
Spresenseメインボードのソケットに挿入できるピンは一辺が0.64mmの角型ピンが最大となります。 このサイズ以上のピンや変形してしまったピンをソケットに挿入すると同様にピンソケット内部のコンタクト金具を変形、破壊する 故障の原因となります。 |
1.3. LTE拡張ボードのピンソケットの動作電圧設定について
Spresense LTE拡張ボードのCN6とCN9のピンヘッダのI/O電圧は、CN2に挿すジャンパ位置を変更することによって5Vと3.3Vを切り換えることができます。 出荷状態では5Vに設定されています。
CN2の挿し位置を変更する場合には必ずSpresenseの電源を切った状態で行ってください。電源を入れた状態で変更した場合、Spresenseを破壊する恐れがあります。 |
LTE拡張ボードに接続するセンサーなどの外付け基板の動作電圧と同じ電圧になるように設定して下さい。設定を誤った場合、接続した基板を破壊する恐れがあります。 |
1.4. メインボードとLTE拡張ボードの外部接続用ピンの機能について
Spresenseは下図に示す、メインボードあるいはLTE拡張ボード上のピンソケットにジャンパワイヤを接続する方法などで 外部機器を接続することが可能です。
各ピンが有する機能は、ほかのSpresenseボードのものと合わせて一覧表としてまとめ、ハードウェア設計資料に掲載しています。
Spresenseに搭載されているCXD5602GGの各ピンは複数の機能を有しています。
1.4.1. Spresense Arduino環境で使用する場合
ピンの機能は主に、モード0の「GPIO」とモード1に記載の機能を使用することが可能です。
Arduino環境で使用する際には特にピンモードを意識する必要はありません。
1.4.2. Spresense SDK上で使用する場合
CXD5602GGにはピングループがあり、各ピンのモード設定はピングループごとに行うことが可能です。
ピングループはピンリスト中の「ピングループ」列に記載しています。
モードの変更方法は
に記載してあります。
Spresenseでは同一の信号線が別の複数のコネクタに接続されている箇所があります。 この信号を使用する場合には、必ず使用しないコネクタの接続をOpen(またはHi-Z)にしてください。 |
各ピンに印加する電圧は必ずピンリストに記載の最大絶対定格電圧を超えないようにしてください。 過電圧の印加はSpresenseボードの故障の原因となります。 |
1.5. Spresenseボードに外部接続機器を接続する場合の電源供給に関して
SpresenseメインボードとLTE拡張ボードを組み合わせたときの電源系統図を下記に示します。
Spresenseに外部機器を接続して電源をSpresenseの電源用ピンから供給する場合には、図中に示した最大出力電流値を超えないようにしてください。
LTE通信を行う場合には、LTEモジュールだけで最大1.2Aの電流を消費します。 メインボードとLTE拡張ボードのmicroUSBから供給できる電流の合計が1.5A程度となるように電源を接続してください。 確実なLTE通信を行うためには、Spresense LTE拡張ボードのmicroUSBから1.5A以上供給できるようにしてください。
1.6. Spresense ブート時の電源、リセットタイミングシーケンス
SpresenseメインボードとLTE拡張ボードを組み合わせて、microUSB端子から電源を供給してからCXD5602が起動するまでの 各電源とリセットのシーケンスチャートを下図に示します。
図中の"boot"はArduino IDEおよびSpresense SDK上で起動直後にCXD5602の1つのGPIOピンをHighに設定して出力されるまで の時間を示しています。
1.7. リセット機能の使用方法
Spresenseでは以下の方法によってシステムにリセットを掛けることができます。
-
メインボード上のSW2を押下
-
シリアルモニターなどによるUART接続(DTR信号トリガ)
システムリセットが掛かった場合には、電源を管理するLSIのCXD5247や各電源LSIから 一瞬給電が停止しますので、LTE拡張ボードやAdd-onボードに外部回路を接続して使用している際には注意が必要です。
メインボードのJP2の1番ピンのリセット信号(XRST_PIN_1.8V)はシステムリセットの状態を出力します。システムリセットが掛かっている状態はLow、それ以外の状態では High(1.8V)を出力します。この信号を使用することでAdd-onボードなどにセンシングプロセッサCXD5602と同じタイミングでリセットを掛けることが可能です。
1.9. I2Cの使用方法
SpresenseではメインボードとLTE拡張ボードにそれぞれI2C接続に使用できる端子が1系統用意されています(LTE拡張ボードはPWM2、PWM3と排他使用になります)。
インターフェース電圧はメインボードが1.8V、LTE拡張ボードが5Vまたは3.3Vになります。
通信速度は最大で400kbpsとなります。
メインボードとLTE拡張ボードのI2Cは別系統となります。
メインボードのI2C(I2C0)は4.7kΩで1.8Vに、LTE拡張ボードのI2C(I2C1)はレベルシフタを経由して1KΩで5Vまたは3.3Vに、それぞれ基板上でプルアップされています。
1.10. UARTの使用方法
SpresenseではメインボードとLTE拡張ボード [LM2] にそれぞれUART接続に使用できる端子が1系統用意されています。
インターフェース電圧はメインボードが1.8V、LTE拡張ボードが5Vまたは3.3V、通信速度は最大で1.8432Mbpsとなります。
メインボードとLTE拡張ボードはUARTとしては同一の系統を使用するため、同時に使用することはできません。
メインボードとLTE拡張ボードを組み合わせた場合は、出荷時には自動的にLTE拡張ボードのUARTが使用できる設定となっています。
組み合わせた状態でメインボード側のUARTをご使用になる場合には、LTE拡張ボードのJP6の15-16番ピンに2.54mmピッチのジャンパーピンを挿してください。
ジャンパーピンはメインボードおよび拡張ボードの製品パッケージには同梱されておりませんので、別途ご用意ください。
LTE拡張ボード側のUARTを使用する場合、メインボードのUARTピン(D00, D01, D27, D28)をGPIOとして使用することはできません。
1.11. SPIの使用方法
SpresenseではメインボードとLTE拡張ボードにそれぞれSPI接続に使用できる端子が1系統ずつ用意されています。
両ボードのSPIはマスターモードでのみ使用が可能です。
インターフェース電圧はメインボードが1.8V、LTE拡張ボードが5Vまたは3.3Vになります。
通信速度はメインボードが最大で13Mbps、LTE拡張ボードが最大で6.5Mbpsとなります。
メインボードとLTE拡張ボードはそれぞれ別系統のSPIを使用しますので、同時に使用可能です。
1.12. PWMの使用方法
SpresenseではLTE拡張ボードにPWM出力に使用できる端子が4系統用意されています(うち2系統はI2Cと排他使用となります)。
インターフェース電圧は5Vまたは3.3Vになります。
周波数は最大で6.5MHz、分解能は15ビットとなります。
1.13. SDIOの使用方法
CXD5602はSDIO規格に準拠した1.8Vの 4bit(または1bit)SDモード対応インターフェースを持ち、SpresenseではLTE拡張ボードにレベルシフタを使用して3.3Vに電圧を変換してmicroSDカードが使用できるようになっています。
SpresenseのSDIOの最大データ転送速度は21MB/sとなります。
1.14. LTE拡張基板でのデジタル信号(UART/SPI/PWM/GPIO)使用上の注意
SpresenseではLTE拡張ボードのデジタルピン入出力に下記の構造のようなレベルシフタを使用して、自動的方向の切り換えと電圧変換を行っています。
このレベルシフタはピンソケット側が1kΩで5Vまたは3.3Vに常にプルアップされています。
したがってピンソケットに接続する回路が低いインピーダンスを持つ回路である場合には、CPUの検出する閾値が変動してしまう事から正しく論理を検出できなくなります。
この場合には下図のように、入出力方向が変化しない信号に関しては、ピンソケットと接続する回路の間に片方向のバッファを挿入するのが良い方法です。
1.15. A/D変換器の使用方法
Spresenseはメインボード上に2系統(SEN_AIN4、SEN_AIN5)、LTE拡張ボード LM2は4系統(SEN_AIN0、SEN_AIN1、SEN_AIN3、SEN_AIN4)のA/D変換器(ADC)を備えています。 メインボード上のピンSEN_AIN4はLTE拡張ボード上の 同じ信号ピンと排他使用となります。
SEN_AIN4とSEN_AIN5のLPADC (Low Power ADC)に比して、SEN_AIN0とSEN_AIN1のHPADC(High Performance ADC)は高速にA/D変換することが可能なピンとなります。 電源電圧や温度データなどDC電圧をA/D変換する場合は、0Vからフルレンジを使ってA/D変換できるLPADCの使用を推奨します。
下表に各ADCピンの仕様を示します。
ボード | アナログピン番号 | CXD5602ピン名称 | 種類 | メインボード入力電圧(V) | LTE拡張ボード入力電圧(V) |
---|---|---|---|---|---|
LM2 |
A1 |
SEN_AIN3 |
LPADC |
- |
0 - 5.0 |
Main/LM2 |
A2 |
SEN_AIN4 |
LPADC |
0 - 0.7 |
0 - 5.0 |
Main |
A3 |
SEN_AIN5 |
LPADC |
0 - 0.7 |
- |
LM1/LM2 |
A4 |
SEN_AIN0 |
HPADC |
- |
0 - 5.0 |
LM1/LM2 |
A5 |
SEN_AIN1 |
HPADC |
- |
0 - 5.0 |
アナログピン番号へのCXD5602のピン(回路図上の名称)の割り当てとメインボードへの入力電圧範囲に注意してください。
LTE拡張ボード上ではCXD5602のADCピンには抵抗分割によって電圧を変換して入力しています。 LTE拡張ボードのアナログピンに5.0Vを印加した場合、下記に示す回路によってSEN_AIN2~SEN_AIN5のLPADCは0.7Vに、SEN_AIN0とSEN_AIN1のHPADCは1.4Vに減圧されて入力されます。
ADCのリファレンス電圧はメインボード上のCXD5247が生成する0.7Vを使用します。
ADCピンにインピーダンスを持つ回路を接続する場合、たとえば可変抵抗器を経由して印加電圧を変化させてADCの動作確認を行う際などには、 可変抵抗器の抵抗値と上記分圧回路の抵抗値によってCXD5247のADCピンに入力される電圧が決定されます。
1.15.1. Spresense Arduino環境で使用する場合
A/D変換値は符号なしの10ビットデータとして出力されます。
サンプリング周波数はLPADCでは64Hz、HPADCでは16KHzになるように設定されています。
すべてのADCはSpresenseLTE拡張ボードを使用して、LTE拡張ボードのアナログ入力ピンから入力した場合には下記のような特性を持っています(HPADCのゲインは-6dBに設定されています)。
1.15.2. Spresense SDK上で使用する場合
A/D変換値は符号つきの16ビットデータとして出力されます。 LPADC/HPADCともに10bitのRawデータを符号つきの16bitデータに変換して出力し、出力値の範囲は -32768(=0x8000)~32704(=0x7fc0) になります。
SEN_AIN2~SEN_AIN5のLPADCは下記のような特性を持っています。
Spresense SDK上ではSEN_AIN0とSEN_AIN1のHPADCに対し、ゲインと変換速度の変更が可能になります。
ADCの使用方法は Spresense SDK チュートリアルの
に記載しています。
LTE拡張ボードでHPADCのゲインを変化させたときの変換値のグラフを下記に示します。
CXD5602のHPADCポートへの入力電圧値とゲインの設定値の関係は、CXD5602ユーザーマニュアル の「2.21.9 Gain Control」に記載があります(下表に転記します)。 入力電圧値を超えた範囲では変換値が飽和します。
ゲイン(dB) | CXD5602ピン 有効ピーク・ピーク電圧(V) |
---|---|
-6 |
1.6 |
0 |
0.8 |
6 |
0.4 |
12 |
0.2 |
14 |
0.16 |
1.15.3. より微小な信号をA/D変換する場合
HPADCでゲインを変更して音声や各種センサーなどのより微小な信号をA/D変換するためには、下図のようにHPADCポートへの入力信号をDCカットして入力することを推奨します。 DCカットすることでLTE拡張ボードのアナログポートとCXD5602ピンに入力されるピーク・ピーク電圧は等しくなります。
LTE拡張ボードでこの機能を使用する際には以下の図のようにLTE拡張ボードへのはんだ付け作業が必要です。 ここでの作業は小型部品のはんだ付けや基板の改造を伴います。適切なスキル及び機材をもっている方のみ実施するように注意してください。
ここに記載のはんだ作業を行った場合には、いかなる場合であっても製品保証の対象外となります。ご自身の責任において実施してください。 |
1.16. メインボードに対する外部電源の供給方法
Spresenseのメインボードで消費する最大電流値は500mAで、メインボードおよび拡張ボード上のmicroUSB端子より電源を供給した場合には例え500mAより多くの電流が供給できる機能があった場合でも、メインボードへは500mAまでしか供給できません。この500mAにはAdd-onボードへの供給電流を含みます。
Add-onボードを設計する際に使用するデバイスの消費する電流値が多い場合にはメインボードのCN1に日本圧着端子製造製のPHコネクタ(S2B-PH-K-S)をマウントし、ここに十分な電流を供給できる 3.6V~4.4V(=動作推奨電圧。最大絶対定格電圧は5.5V)の電源を接続することにより、メインボードのEXT_VDD(JP2の3番ピン)からの供給電流値を増やすことができます。その際、EXT_VDD端子の電圧は接続した電源の 電圧とほぼ等しい電圧が出力されます。
上記はメインボードへのはんだ付け作業が必要です。ここでの作業は小型部品のはんだ付けやボードの改造を伴います。適切なスキル及び機材をもっている方のみ実施するように注意してください。
ここに記載のはんだ作業を行った場合には、いかなる場合であっても製品保証の対象外となります。ご自身の責任において実施してください。 |
またこの場合には、microUSB端子から電源を供給しなくともSpresenseシステムに電源が入ります。メインボードで消費する最大電流値の500mAと拡張ボードで消費する 電流の合計を供給することも可能となります。
メインボードのPHコネクタ(CN1)から電源を供給した場合には、メインボードおよびLTE拡張ボードのmicroUSBコネクタは使用しないでください。また、デバッグ時には外部電源を外してください。 |
1.17. マイクの使用方法
SpresenseはLTE拡張ボード上に搭載された2.54mmピッチのピンヘッダにアナログマイクを最大で2チャンネル、またはデジタルマイクを最大で4チャンネル接続することが可能です。
出荷時はアナログマイクの設定になっています。デジタルマイクを使用するにはLTE拡張ボードへのはんだ付け作業が必要です。 ここでの作業は小型部品のはんだ付けや基板の改造を伴います。適切なスキル及び機材をもっている方のみ実施するように注意してください。
ここに記載のはんだ作業を行った場合には、いかなる場合であっても製品保証の対象外となります。ご自身の責任において実施してください。 |
1.17.1. マイクチャンネルの配置
LTE拡張ボード上のマイクチャンネルの配置を下図に示します。
A,Bがアナログマイクのチャンネルを示し、同色のD01, D23が対応するデジタルマイクのチャンネルを示します。
アナログマイクまたはデジタルマイクの入力設定を各チャンネルごとに別々に設定しますと十分な入力音質性能が得られない場合があります。 すべてのチャンネルをアナログマイクまたはデジタルマイク入力に設定することを推奨します。
1.17.2. アナログマイクからデジタルマイク入力への切り替え方法
アナログマイクからデジタルマイク入力に切り換えるためには下記の2つの手順が必要です。
-
R22を取り外し、R26に0Ωをマウント(またはジャンパ線などでショートする)。
-
R16(D01チャンネル)とR17(D23チャンネル)に0Ωをマウント(またはジャンパ線などでショートする)。
1.17.3. アナログマイクの接続方法
1.17.3.1. ダイナミックマイク
CN6のマイクの接続ピンヘッダには、2つのアナログマイク入力(MICA、MIICB)端子があります。 これらの端子はコンデンサによってACカップリングされています。 アナログマイクを使用する場合、ノイズを最小限に抑えるために、マイクのGNDは、CN6のGNDをご使用ください。
1.17.4. デジタルマイクの接続方法
デジタルマイクを接続する際の推奨接続方法を下記に示します。 各マイクチャンネルの3ピン(DMIC, DCLK, GND)の組み合わせと1.8V電源に対し、デジタルマイクの左右切り替え信号(LR_SEL)の極性を一方をLOW、もう一方をHIGHとすることで、2個のデジタル・シリコンMEMSマイクの接続が可能です。 1.8Vの電源はAチャンネルとBチャンネルのMIC_BIAS端子より供給することができますので、分岐してご使用ください。
下記に使用できるデジタル・シリコンMEMSマイクの例を示します。
製造会社 | 品名 |
---|---|
Knowles |
SPH0641LU4H-1 |
Knowles |
SPM0423HD4H-WB |
Infineon |
IM69D130 |
1.18. スピーカーの使用方法
Spresenseはメインボード上に搭載されたCXD5247にステレオD級出力アンプを搭載しており、これを利用して2台のスピーカーを駆動することが可能です。
ただし、メインボード単体ではCXD5247のD級アンプに3.3V電源が供給されないため、スピーカーはご使用できません。
スピーカーを使用するためにはメインボードのボードtoボードコネクタCN4の1番ピンおよび3番ピンに低ノイズの3.3V電源を供給する必要があります。ご使用のスピーカーに応じて十分な電流値を供給してください。
LTE拡張ボードと組み合わせてご使用する場合には、この3.3V電源は供給されるように設計されています。
メインボードは出荷時はLTE拡張ボードのヘッドホン出力に合わせた設定になっています。スピーカーを使用するにはメインボード上のチップ部品の載せ替えはんだ付け作業と、LTE拡張ボードへのはんだ付け作業が必要です。 ここでの作業は小型部品のはんだ付けや基板の改造を伴いますので、適切なスキル及び機材をもっている方のみ実施するように注意してください。
ここに記載のはんだ作業を行った場合には、いかなる場合であっても製品保証の対象外となります。ご自身の責任において実施してください。 |
1.19. JTAGデバッガの使用方法
SpresenseではCoreSight 10のコネクタに接続することによって、Cortex-M シリーズ SWD 対応のJTAGデバッガを使用することが可能です。
この機能を使用するためには拡張ボードへのはんだ付け作業が必要です。小型部品のはんだ付けや基板の改造を伴いますので、適切なスキル及び機材をもっている方のみ実施するように注意してください。
ここに記載のはんだ作業を行った場合には、いかなる場合であっても製品保証の対象外となります。ご自身の責任において実施してください。 |
拡張ボードのCN8にCoreSight 10用のピンヘッダをはんだ付けしてください。
使用するCoreSightのケーブルによってはKEYの箇所の穴が埋められているものがあります。 はんだ付けする前に、あらかじめ下図のKEYにあたる箇所のピンをラジオペンチなどを使用して抜いてください。
下記に使用可能なピンヘッダの例を示します。
製造会社 | ピンヘッダ(10極) |
---|---|
廣杉計器 |
PSM-720153-05 |
Samtec |
FTS-105-01-L-DV-TR |
HARWIN |
M50-3600542 |
日本コネクト工業 |
IKHSM28-D10G-H1.5 |
1.20. GNSSの使用方法
1.20.1. GNSS用オンボードチップアンテナについて
Spresenseはメインボード上にGNSS用チップアンテナを搭載しておりそのままの状態で位置測位が可能です。
オンボードアンテナの特性はハードウェア設計資料に掲載しています。 ** GNSSオンボードチップアンテナ特性 (pdf)
1.20.2. GNSS用外部アンテナの使用方法
Spresenseはより高性能の位置測位が行えるように、メインボードにuFL接続タイプの外部アンテナを接続しての測位も可能です。
メインボードへのはんだ付け作業が必要です。ここでの作業は小型部品のはんだ付けや基板の改造を伴います。適切なスキル及び機材をもっている方のみ実施するように注意してください。
ここに記載のはんだ作業を行った場合には、いかなる場合であっても製品保証の対象外となります。ご自身の責任において実施してください。 |
外部GNSSアンテナを使用するためには以下の作業が必要です。
-
下図のCN3にuFLコネクタをマウントしてください。
下記に使用可能なuFLコネクタの例を示します。
製造会社 | 品名 |
---|---|
ヒロセ電機 |
U.FL-R-SMT-1 |
-
使用するアンテナの種類に応じて、メインボード上のチップ抵抗を下表のように変更して下さい。
下表で"OPEN"は該当する箇所に部品がマウントされていないことを、"CLOSE"は0Ω抵抗またはワイヤなどでショートされていることを示します。 各抵抗のサイズは1005です。
使用する |
R29 |
R31 |
R33 |
R30 |
R32 |
備考 |
チップ |
CLOSE |
OPEN |
CLOSE |
OPEN |
CLOSE |
出荷状態 |
パッシブ |
OPEN |
CLOSE |
OPEN |
OPEN |
CLOSE |
|
アクティブ |
CLOSE |
OPEN |
CLOSE |
CLOSE |
OPEN |
1.21. Spresense Add-onボード・拡張ボード・ケースの設計について
1.21.1. Spresense HW 設計資料
SpresenseではAdd-onボード・拡張ボード・ケースの設計に有用な、すべてのボードの各種ハードウェア設計資料を公開しています。
-
回路図
-
部品リスト
-
基板外形寸法図
-
部品配置図
-
2D CADデータ(DXF形式)
-
3D CADデータ(STEP形式)
このほかにも、コネクタピンリストやGNSSオンボードチップアンテナ特性も公開しています。
これらは ハードウェア設計資料 にまとめて公開しています。
1.22. 外部接続機器のケーブルにLTE電波がかぶってしまう場合の対策方法
Spresense LTE拡張ボードと同時に、メインボードのピンソケットやLTE拡張ボードのピンヘッダに外部接続機器や基板を接続して使用する場合、 LTEアンテナとそれらの接続用ケーブルが近接してしまうとケーブルにLTEの電波がかぶってしまい動作が不安定となる場合があります。
このような場合には接続するケーブルとしてシールド付きケーブルを使用すると状況が改善することがあります。 家庭用アルミ箔をケーブルに巻いてみるだけでも場合によっては改善することがあります。
Spresense カメラボードに付属の接続用ケーブルはシールド付きケーブルですが、このようなシールド付きケーブルを使用しても まだ動作が不安定な場合には、下記のシールドシートでケーブルを包むと状況が改善することがあります。
製造会社 | 品名 |
---|---|
KEMET |
EFG2(03)-240X240T0800 |