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目次

Spresenseサンプル書き込みツール(Web版)

概要

本ツールは、Web Serial API を利用してPC上のWebブラウザから Spresense ボードへ、ビルド済みの サンプルバイナリファイル を書き込むためのユーティリティツールです。 Spresense SDK開発環境を構築する前に、Spresenseがもつ機能やサンプルアプリケーションの動作を簡単に体験することができます。

本ツールは、Web Serial API に対応している以下のブラウザでご利用いただけます。

  • Google Chrome

  • Microsoft Edge(Chromiumベース)

Windows または macOS 環境で本ツールをご利用いただくには、CP210x用のUSBシリアルドライバが必要です。 ドライバがまだインストールされていない場合は、以下のリンクからダウンロードしてインストールを行ってください。

サンプルの実行を試した後は、次のステップとして、Spresense SDKを使った独自アプリケーションの開発に挑戦してみましょう。 開発環境の構築手順については、開発ツールのセットアップ をご確認ください。

サンプルバイナリファイル

機能やボードに応じて複数のサンプルバイナリが用意されています。 表中に書かれた「必要な機材」を準備した上でバイナリの書き込みを行ってください。 右の「コマンド」列は、サンプルバイナリに含まれる代表的なコマンドとそのチュートリアルへのリンクを表します。 コマンドの具体的な使い方はチュートリアルを参照してください。

ファイル名 説明 コマンド

共通

全てのサンプルバイナリに共通する使い方について説明します。

Linuxのシェルに似た NuttShell と呼ばれるコマンドラインインターフェースをもち、 nsh> プロンプト上でさまざまなコマンドを実行できます。各種アプリケーションもコマンドの形式で提供されています。 以下で紹介するコマンドや機能は、全てのサンプルバイナリファイルに含まれています。

  • help コマンドでサポートしているコマンド一覧が表示されます。NuttShellの標準コマンドとBuiltin Appsコマンドが存在します。

  • uname -a コマンドにより、バージョン情報を表示します。

  • hellohelloxx コマンドにより、"Hello World"を表示します。

  • led_blink & コマンドにより、メインボード上のLEDが点滅します。このように & を付けてコマンドを実行することで複数のコマンドを同時に実行できます。

  • GPIO, RTC, ADC, PWM, Watchdog, I2C, SPI, PMIC 等の各ペリフェラルを操作するコマンドが含まれています。 それぞれの使い方は、右列のコマンドをクリックして各種チュートリアルを参照してください。

  • ファイルシステムは df コマンドでマウント先を確認できます。メインボード内蔵のSPI-Flashは /mnt/spif、拡張ボード上のSDカードは /mnt/sd0 へマウントされます。 cd, ls, mkdir, cat, hexdump 等のコマンドでディレクトリやファイルの操作が可能です。

  • msconn コマンドが含まれているサンプルでは、拡張ボード側のUSB端子とPCをUSBで接続した状態で、msconn コマンドを実行すると、 拡張ボード上のSDカードがUSBマスストレージのドライブとしてマウントされます。PC から拡張ボード上の SD カードに対して、直接ファイルの読み書きが可能になります。

  • reboot コマンドにより、ボードを再起動できます。

  • 自動起動スクリプト が有効になっています。 /mnt/spif/init.rc シェルスクリプトを使えば、システムの起動時に指定したコマンドを自動的に実行できます。

hello, helloxx
led_blink
gpio
pmic
alarm
adc_monitor
pwm
watchdog
i2c
spi
fsperf
vi
zip, unzip, gzip

pwbimu.spk
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マルチIMU Add-onボード向けのアプリケーションです。

  • pwbimu コマンドを実行して、マルチIMUから取得したデータ1秒分をターミナルに表示します。

  • pwbimu_logger コマンドを実行して、マルチIMUデータをターミナルやストレージに出力します。

  • ahrs_pwbimu コマンドを実行して、Madgwickフィルタを用いて推定した姿勢データを出力します。

  • gyrocompass コマンドを実行して、地軸の回転を感知して方位の計算を行います。

webserial pwbimu

gnss.spk
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内蔵GNSS機能を使用するアプリケーションです。

メインボード上にチップアンテナが搭載されており、メインボード単独で GNSS 測位を行うことができます。

  • gnss コマンド実行により、GNSS測位を開始します。衛星から受信した時刻や位置情報をターミナルに出力します。 安定した信号受信を行うためには、空が開けた屋外環境で実行してください。

  • gnss_atcmd コマンドを利用して、測位結果をNMEA形式で取得することも可能です。

webserial gnss

gnss_addon.spk
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GNSS Add-onボードを使用するアプリケーションです。

GNSS Add-onボードを使用するためには別途 外部アンテナが必要になります。

  • gnss_addon コマンドを実行することでGNSS測位を開始し、結果をターミナルに出力します。 コマンドオプションにより、NMEA形式での出力や、SDカード上のファイルに保存する機能など、GPSデータロガーアプリとしてそのまま利用可能です。

webserial gnss addon

audiolite.spk
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オーディオ機能を使用するアプリケーションです。

  • 拡張ボードのSDカード内にMP3もしくはWAVファイル(48kHz/16bit/2ch)を置いて audiolite_mp3playeraudiolite_wavplayer コマンドを実行すると、ヘッドホン端子から音楽を再生することができます。

  • 拡張ボード, LTE拡張ボードにマイクを接続し、 audiolite_wavrecorder コマンドを実行すると、録音が開始され、WAVファイルとしてSDカードに記録することができます。

  • keyboard, mmlplayer コマンドにより、ヘッドホン端子からFM音源を再生します。

  • 他にも audiolite 機能を使用した複数のコマンドがサポートされています。

webserial audiolite

audiolite_mp3player
audiolite_wavplayer
audiolite_wavrecorder
audiolite_through
audiolite_fft
audiolite_rec2net
audio_sin
audio_micinput
audio_through
keyboard, mmlplayer

camera-lcd.spk
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カメラボードとLCDを使用するサンプルアプリケーションです。

カメラは標準のカメラボード、HDRカメラボードのどちらでも動作可能です。
LCD(ILI9341)との接続は、 LCD と拡張ボードの接続 を参考にしてください。

  • camera -jpg 1 コマンドの実行により、カメラで撮影したJPEG画像をSDカードもしくはSPI-Flash上に保存します。

  • 拡張ボードにLCD(ILI9341)を接続している場合、camera 0 コマンドを実行すると、カメラからのストリーミング動画をLCDに表示します。

  • dsc コマンドを実行すると、簡易カメラアプリケーションが動作します。LCDにUI(ユーザーインターフェース)画面が表示され、キーボードからUIの操作を行います。

  • nx, nxhello コマンドを実行すると、Graphics機能を使用してLCDに描画します。

webserial camera lcd

camera
dsc
nx
nxhello
msconn

dnnrt.spk
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DNN(Deep Neural Network)のサンプルアプリケーションです。

手書き数字認識のLeNet-5を用いたサンプルアプリケーションです。Sony Neural Network Console で生成した学習モデルを使用する方法と、TensorFlow Liteを用いた二つのアプリケーションがあります。

  • 事前に 学習済みのモデルデータ入力画像ファイル を、SPI-FlashまたはSDカード上に格納しておきます。

  • dnnrt_lenet /mnt/sd0/lenet-5.nnb /mnt/sd0/0.pgm のようにコマンドを実行すると、学習データと入力画像を読み込んで推論を行い、最後に認識結果を出力します。

  • TensorFlow Liteの場合、学習モデルはプログラム内に埋め込まれています。tflmrt_lenet default /mnt/sd0/0.pgm のようにコマンドを実行すると、認識結果を出力します。

webserial dnnrt

dnnrt_lenet
tflmrt_lenet
msconn

lte.spk
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LTE拡張ボードを使用するアプリケーションです。

  • はじめに lte_sysctl コマンドを使って、お使いのSIMに合わせて、APN設定を行ってください。

    • 例) lte_sysctl -a <APN名> -v <認証> -u <ユーザー名> -p <パスワード> start

    • その後 ifup eth0 コマンドを実行し、ネットワークを有効にします。

    • ifconfig コマンドで、ボードのIPアドレスを確認できます。

  • lte_http_get コマンドを実行して、HTTP GETリクエストで取得した結果を出力します。

  • lte_mqtt コマンドを用いて、MQTT publish/subscribe を実行します。 MQTTブローカー(test.mosquitto.org) を使用して動作を確認する手順は、右列のコマンドをクリックしてチュートリアルを参照してください。

  • lte_lwm2m コマンドを用いて、LwM2Mの通信を行います。 Leshan LwM2M Serverを使用して動作を確認する手順は、右列のコマンドをクリックしてチュートリアルを参照してください。

webserial lte

lte_sysctl
lte_http_get
lte_tls
lte_mqtt
lte_lwm2m
lte_websocket_gmocoin
lte_websocket_bitbank
lte_hibernation
wget
iperf
msconn

wifi-a.spk
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wifi-b.spk
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wifi-c.spk
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Wi-Fi Add-onボードを使用するアプリケーションです。

Wi-Fi Add-onボード iS110B は、ボードのバージョンによって、V1.0A, V1.0B, V1.0C の3種類に分かれています。 お使いのボードバージョンに合わせて、適切なspkファイルをインストールしてください。 (参考: https://idy-design.com/product/is110b.html)

  • はじめに gs2200m コマンドを使って、ユーザー環境に合わせて SSID、パスワードを設定してください。

    • 例) gs2200m <SSID> <パスワード> &

    • ifconfig コマンドで、ボードのIPアドレスを確認できます。

  • ftpd_start -4 コマンドを実行すると、FTPデーモンを起動します。同一ネットワーク上のPCからFTP転送によるファイル送受信が可能です。

  • telnetd & コマンドを実行すると、telnetデーモンを起動します。PC等のクライアントからSpresenseボードへtelnetでログインできます。

  • webserver & コマンドを実行すると、Webサーバーを起動します。PC等のクライアントからアクセスできます。

  • wget コマンドで、サーバーからファイルを取得し表示します。

webserial wifi
  • カメラボードを接続することによって、multiwebcam コマンドでネットワークカメラとして動作します。PCやスマホ等のブラウザからネットワーク経由でSpresenseボードに接続して、カメラの画像を表示することができます。

webserial multiwebcam

ble_mouse.spk
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BLE Add-onボードを使用するサンプルアプリケーションです。

拡張ボード, LTE拡張ボード(LM2)と一緒に使用する際はジャンパをショートしてください。

  • ble_mouse_central コマンドを実行することで、BLEマウスと接続・通信を行います。マウスのポインタ/ボタン/スクロールの操作をBLE経由で取得しターミナルに表示します。

webserial ble mouse

ble_central
ble_peripheral
ble_mouse_central

ble_toio.spk
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BLE Add-onボードを使用するサンプルアプリケーションです。

拡張ボード, LTE拡張ボード(LM2)と一緒に使用する際はジャンパをショートしてください。

  • ble_toio_central コマンドを実行することで、toioデバイスと接続し、BLE経由でtoioと通信を行います。モーター制御、サウンド出力、ボタン、モーション検出など、toioがもつ各種機能をSpresenseからコントロールします。

webserial ble toio

ble_central
ble_peripheral
ble_toio_central

eltres.spk
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ELTRES Add-onボードを使用するサンプルアプリケーションです。

拡張ボード, LTE拡張ボード(LM2)と一緒に使用する際はジャンパをショートしてください。

  • eltres_lpwa コマンドの実行により、ELTRES通信プロファイルにしたがってデータ送信を行います。

  • eltres_eeprom コマンドの実行により、ELTRESモジュール上のEEPROMを読み書きできます。

webserial eltres

使い方

  1. ファイル選択 リストからボードへ書き込みたいspkファイルを選択し、 [ダウンロード] ボタンを押してください。

  2. 同時に最新ブートローダーの書き込みを行う場合は、 ブートローダーも一緒に書き込む チェックボックスをクリックしてください。

    • EULA(End User License Agreement)が表示されます。EULAウィンドウ末尾の [Approve] ボタンを押すとブートローダーファイル群がダウンロードされインストール対象に追加されます。

  3. PCとSpresenseメインボードをUSBで接続した状態で、[シリアルポート接続] ボタンを押して、Spresenseボードが接続されているシリアルポートを選択して [接続] ボタンを押してください。

    • シリアルポートが既に他のターミナル等に接続中の場合 Failed to open serial port. エラーが発生します。接続中のシリアルポートを切断してから実行してください。

    • Prompt Not found エラーが発生した際は、再度 [シリアルポート接続] ボタンを押してやり直してください。

  4. 正常に書き込みが完了すると インストールが完了しました と表示されます。

    • もしエラーが発生した場合は、ブラウザをリロードしてから再度実行してください。

  5. インストールが完了したら、任意のシリアルターミナルを開いてサンプルプログラムの動作を確認してください。

書き込みツール

こちらのリンクから書き込みツール本体のページを開いてください。