Spresense - エッジコンピューティングを低消費電力で

Spresense で乾電池でも動く本格的なエッジコンピューティングを体験してみませんか?

最新情報はこちら

SpresenseマルチIMU Add-onボード キャリブレーションツールマニュアル(プレート 4枚)

本ページのマニュアルは Spresense IMU アドオンボード キャリブレーションツールプレート 4枚」という機材向けとなっております。「プレート 1枚」をご利用のお客様は、該当ページをご参考ください。

目次

1. キャリブレーションツールの実行方法

キャリブレーションツールのダウンロードをご希望の場合は、該当ページにアクセスしてください。

1.1 キャリブレーションツールの起動

1.1.1 Windowsの場合

ダウンロードしたファイルをエクスプローラ上で右クリックし、出てきたメニューの中から「すべて展開」を選択して解凍します。

解凍してできた「SpresenseMultiIMUBoardCalibrationTool_win64」フォルダの中にある「SpresenseMultiIMUBoardCalibrationTool_win64.exe」をダブルクリックしてツールを起動します。

1.1.2. macOSの場合

ダウンロードしたファイルを右クリックし、出てきたメニューの中から「開く」を選択して解凍します。

解凍してできた「SpresenseMultiIMUBoardCalibrationTool_mac」をダブルクリックしてツールを起動します。

1.1.3. 機材の選択

キャリブレーションツールを起動すると機材を選択する画面が立ち上がります。
「プレート4枚」のボタンを押してください。

次の画面が表示されたら「次へ」ボタンを押してください。
アプリケーションを中止する場合は「中止」ボタンを押してください。

1.2. キャリブレーションツールについて

ツールの説明が表示されます。内容を確認して「次へ」ボタンを押してください。

前の画面に戻る場合は「戻る」ボタンを押してください。

説明が不要の場合は「スキップ」ボタンを押してください。“1.6. ポートの選択”画面へ遷移します。

About Spresense IMU add on board

1.3. キャリブレーションツールの注意事項

注意事項が表示されます。内容を確認して「次へ」ボタンを押してください。

本ツールの説明は、1枚使用時を基準としています。

2枚スタック時の場合は、 1枚使用時の説明を2枚スタックに置き換えて指示に従ってください。

2枚スタックの方法については、こちらのサイトを参考にしてください。

Spresense Multi-IMU Board キャリブレーションツール Caution

1.4. 必要な機材とその組み立て方法

必要な機材を準備して、「次へ」ボタンを押してください。

Spresense IMU add on board required items

説明に従って必要な機材を組み立てて、「次へ」ボタンを押してください。

Spresense IMU add on board preparation

1.5. キャリブレーションの手順

キャリブレーションの手順が表示されます。内容を確認して「次へ」ボタンを押してください。

Calibration steps

1.6. ポートの選択

組み立てたSpresenseメインボードのUSB端子にUSBケーブルを使用してPCに接続してください。

Spresenseメインボードのポートをプルダウンメニューから選択して、「次へ」ボタンを押してください。

ボートの詳細に関しては、こちらのサイトを参考にしてください。

1.7. Spresenseメインボードの検出

Spresenseメインボードの検出を行います。環境に応じて。10秒程度時間がかかる場合があります。

IMU board setup progress

本ツールはSpresenseメインボードに本ツールと共に動作するアプリケーションを書き込みます。

書き込まれていない場合は、キャリブレーションツール用のアプリケーションを書き込みます。「インストール」ボタンを押してください。

すでに書き込まれている場合は、“1.8. キャリブレーション精度の選択”画面に遷移します。

IMU board setup instructions

キャリブレーションツール用のアプリケーションの書き込みには数十秒かかります。

書き込みが完了すると、自動的に“1.8. キャリブレーション精度の選択”画面に遷移します。

IMU board setup progress

1.8. キャリブレーション精度の選択

キャリブレーションの精度を選択して、「次へ」ボタンを押してください。

accuracy options

1.9. キャリブレーション対象の選択

選択された対象をキャリブレーションします。「次へ」ボタンを押してください。

キャリブレーションの対象を選択して、「次へ」ボタンを押してください。

“加速度”を選択すると“1.10. 加速度キャリブレーション”を行います。“ジャイロ”を選択すると“1.11. ジャイロキャリブレーション”を行います。

両方選択した場合は、“1.10. 加速度キャリブレーション”、“1.11. ジャイロキャリブレーション”の順に行います。

1.10. 加速度キャリブレーション

加速度キャリブレーションを開始します。「次へ」ボタンを押してください。

1.10.1. 重力値の設定

重力値を入力して、「次へ」ボタンを押してください。

代表的な地域の場合は、地域のボタンを押すとその値が設定されます。

その他の地域の場合は、こちらのサイトを参考にしてください。

概要で説明したように、設定した重力値に基づいたキャリブレーションを行います。

1.10.2. 加速度キャリブレーションパラメータの初期化

本ツールを使って加速度キャリブレーションを行ったことがある場合、その値は初期化されて、工場出荷時の状態(工場でのキャリブレーション結果のみが反映された状態)に戻されます。
「次へ」ボタンを押してください。

1.10.3. 姿勢の設定加速度キャリブレーションデータの取得

目標姿勢Z-UPを例に加速度キャリブレーションデータの取得の方法を説明します。同様の方法で全ての姿勢(合計6姿勢)で行ってください。

現在姿勢を目標姿勢に合わせて、「次へ」ボタンを押してください。

グラフは、加速度センサ値の変動(振動状況)を表します(X:青、Y:赤、Z:緑)。現在姿勢と目標姿勢が異なる場合は、3軸とも値は0になります。

グラフの点線は“1.8. キャリブレーション精度の選択”で選択した精度に基づく閾値です。

プログレスバーが完了になるまで、10秒間静止状態を維持してください。途中で振動などの外乱が入るとプログレスバーがリセットされます。

センサデータが閾値を超えるとプログレスバーがリセットされます。(表示の都合で、センサデータが閾値を超えていないのにプログレスバーがリセットされる場合があります)

USBケーブルの重みで姿勢が変わり、静止状態が維持できない場合があります。その場合は、USBケーブルの取り回しなどを調整してください。

現在の姿勢での加速度キャリブレーションデータの取得が完了したら、「OK」ボタンを押してください。

全姿勢での加速度キャリブレーションデータ取得が完了すると、自動的に加速度キャリブレーションパラメータ(加速度バイアス)の計算を開始し、結果を表示します。

改善率の定義は、“2. 付録”を参照してください。

加速度キャリブレーションの結果を書き込む場合は、「結果の書き込み」ボタンを押してください。

書き込まない場合は「スキップ」ボタンを押してください。本ツールを使って加速度キャリブレーションを行ったことがある場合でもその値は初期化されているため、工場出荷時の状態となります。

「次へ」ボタンを押してください。

1.11. ジャイロキャリブレーション

ジャイロキャリブレーションを開始します。「次へ」ボタンを押してください。

1.11.1. 緯度の設定

地球の自転の影響を考慮するために緯度を入力して、「次へ」ボタンを押してください。

代表的な地域の場合は、地域のボタンを押すとその値が設定入力されます。

その他の地域の場合は、こちらのサイトを参考にしてください。

概要で説明したように、設定した緯度に基づいた地球の自転の影響を考慮してキャリブレーションを行います。

1.11.2. ジャイロキャリブレーションパラメータの初期化

本ツールを使ってジャイロキャリブレーションを行ったことがある場合、その値は初期化されて、工場出荷時の状態(工場でのキャリブレーション結果のみが反映された状態)に戻されます。

「次へ」ボタンを押してください。

1.11.3. 姿勢の設定

現在姿勢を目標姿勢に合わせて、かつUSB端子を東に向けて、「次へ」ボタンを押してください。
なお、方位は方位磁針が指す北(磁北)ではなく地軸の向きを基準とし、地図などを参照して±5度以下の精度で合わせるようにしてください。また、完全に水平である必要はなく、Z-UPの姿勢であれば問題ありません。

グラフは、ジャイロセンサ値の変動(振動状況)を表します(X:青、Y:赤、Z:緑)。現在姿勢と目標姿勢が異なる場合は、3軸とも値は0になります。
グラフの点線は"1.8. キャリブレーション精度の選択"で選択した精度に基づく閾値です。

1.11.4. ジャイロキャリブレーションデータの取得

プログレスバーが完了になるまで、10秒間静止状態を維持してください。途中で振動などの外乱が入るとプログレスバーがリセットされます。

センサデータが閾値を超えるとプログレスバーがリセットされます。(表示の都合で、センサデータが閾値を超えていないのにプログレスバーがリセットされる場合があります)

USBケーブルの重みで姿勢が変わり、静止状態が維持できない場合があります。その場合は、USBケーブルの取り回しなどを調整してください。

ジャイロキャリブレーションデータの取得が完了したら、「OK」ボタンを押してください。

ジャイロキャリブレーションデータ取得が完了すると、自動的にジャイロキャリブレーションパラメータ(ジャイロバイアス)の計算を開始し、結果を表示します。

改善率の定義は、“2. 付録”を参照してください。

ジャイロキャリブレーションの結果を書き込む場合は、「結果の書き込み」ボタンを押してください。

書き込まない場合は「スキップ」ボタンを押してください。本ツールを使ってジャイロキャリブレーションを行ったことがある場合でもその値は初期化されているため、工場出荷の状態となります。

「次へ」ボタンを押してください。

1.12. 終了

終了画面が表示されたら、「終了」ボタンを押して終了してください。

キャリブレーション用のアプリケーションがSpresenseメインボードに書き込まれているため、任意のアプリケーションを再度書き込んでからご利用ください

1.13. エラーケース

1.13.1. USB接続エラー

以下の画面が表示された場合は、何らかの理由でSpresenseメインボードとPCとのUSB接続が切断されています。「中止」ボタンを押してキャリブレーションツールを中止し、USB接続を確認してやり直してください。

1.13.2. Spresenseメインボードとの通信エラー

以下の画面が表示された場合は、何らかの理由でSpresenseメインボードが検出できていません。「中止」ボタンを押してキャリブレーションツールを中止し、USB接続を確認してやり直してください。

1.13.3. CXD5602PWBIMUエラー

以下の画面が表示された場合は、SpresenseメインボードとSpresenseマルチIMU Add-onボード(CXD5602PWBIMU)の接続やSpresenseマルチIMU Add-onボードのDip-SWの設定、またはファームウエアバージョンが正しくありません。「中止」ボタンを押してキャリブレーションツールを中止し、接続やDip-SWの設定、またはファームウエアバージョンを確認してください。

ディップスイッチやファームウエアの確認は以下のサイトを参考にしてください。

1.13.4. アプリケーションが検出できませんでした

以下の画面が表示された場合は、Spresenseメインボードに最新のブートローダーが書き込まれていない可能性があります。こちらのサイトを参考にして最新のブートローダーを書き込んでから本ツールをお試しください。

1.13.5. キャリブレーションツール用アプリケーション書き込みエラー

以下の画面が表示された場合は、キャリブレーションツール用のアプリケーション書き込みに失敗しました。

接続状況を確認し、再度お試しください。

2. 付録

キャリブレーションによる改善率は、下図のイメージを示すように“設定した値(目標値:重力値や緯度による地球の自転の向き)”に対する“工場出荷状態での出力(キャリブレーション前の出力)”と“キャリブレーション後の出力”の誤差ノルム(RMSE)を用いて表現される改善した割合を表します。(センサデータにはノイズを含むため改善率が100%になることはありません)