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IoTとは?仕組みやメリットとともに具体的に何ができるのか解説

IoTは、モノとインターネットをつないでさまざまなことを実現する技術です。すでにさまざまな分野でIoTが導入され始めています。

この記事では、IoTについてくわしく知りたいと考えている人へ向けて、IoTの概要やIoTのメリットを解説します。IoTについて理解を深め、有効活用するためにぜひ参考にしてください。

目次

IoTとは何か?

IoTとは、どのようなものなのでしょうか。ここでは、IoTの意味や似ている言葉との違いを解説します。

「IoT」の意味

IoTとは「Internet of Things」を略した表現であり、日本語では「モノのインターネット」という意味です。さまざまなモノをインターネットに接続し、情報伝達機能をもたせます。それにより、モノの遠隔操作や、さまざまなデータの取得を可能にする仕組みです。

IoTとM2Mの違い

IoTと混同されやすい言葉として、M2Mがあります。M2Mは「Machine to Machine」の略であり、機械と機械がネットワークでつながって情報をやり取りする仕組みです。ただし、インターネットには接続しているとは限らないため、通信先は限定されるケースが多いです。

IoTはモノ自体に通信機能があり、インターネットに接続して離れた場所にある機械やパソコンやクラウドなどと情報をやり取りできます。

IoTの仕組み

IoTとして利用されるモノには、データを取得するための機能が備わっています。具体的には、カメラ、センサー、無線などを使用してIoT機器はデータを取得しています。得られたデータは、インターネットを介してほかのモノや人へ伝えられる仕組みです。

IoT機器ではたくさんのデータを取得できるため、有効活用するためにはスピーディにデータを共有する必要があり、またその機器の数も膨大になります。そのため、5GやLPWAに期待が寄せられています。

IoTでは何ができるのか?

IoTを活用すれば、さまざまなことを実現できます。ここでは、具体的に何を実現できるか解説します。

モノの状態を確認する

モノにセンサーを搭載してデータを取得すれば、その場にいなくてもモノの状態を簡単に確認できます。たとえば、電子機器の使用量や電池残量が、一定の基準を超えた場合に警告する仕組みが導入されるようになりました。人が見ていなくても状態を把握できるため、効率的にモノを利用できるようになります。

モノの動きを検知する

センサーやカメラにより周囲の状況を検知し、その場にあわせた判断ができます。たとえば、建設現場にもIoTが取り入れられており、人を検知すると自動で停止する重機や建機もあります。人やモノの動きを着実に捉えてすぐに適切な対応ができるため、利便性を向上させるだけでなく、安全にも貢献しています。

モノを遠隔操作する

IoT機器はインターネットに接続しているため、離れた場所にある別の端末からの遠隔操作もできます。たとえば、帰宅時にエアコンのスイッチを入れたり、設定温度を変更したりできます。単に電源を入れたり切ったりするだけでなく、細かい調整までできるのが便利なポイントです。IoTの技術により、遠隔操作ができる家電も増えています。

モノとモノが通信する

IoT機器はそれぞれインターネットにつながっており、モノとモノによるデーのやり取りも可能です。複数の機器を連携させれば、さまざまな判断を自動化できます。たとえば、スマートビルディングやスマートホームなどでは、スマートスピーカーとほかの設備が連携しており、声の指示により設備を作動させられる仕組みになっています。

IoT を活用するメリット

IoTを活用すればさまざまなメリットを得られます。ここでは、具体的なメリットを解説します。

サービスをより便利にする

IoTはさまざまな分野に活用されるようになっており、便利なサービスが増えています。医療分野では、ウェアラブルデバイスにより患者の体に関するデータを収集して医療機関へ送信し、迅速な治療につなげる仕組みが生まれています。

生活の質を向上させる

IoTは、自宅で利用できるさまざまな機器にも取り入れられるようになりました。機器をいつでもどこからでも操作できるため、日常生活がより便利になります。IoT機器を有効活用すると、より豊かな生活を実現できる可能性があります。

データの把握や管理が正確に行える

IoT機器はリアルタイムでデータを取得しており、すぐに状況を把握できます。IoT機器によるモニタリングを行えば、危険が迫っているときもすぐに察知できます。その結果、高い確率で事故の防止が可能です。

業務が効率化する

IoTにAIを組みあわせれば、膨大なデータも瞬時に分析が可能です。効率的に適切な判断ができ、スピーディにアクションを起こせるようになります。企業の業務効率化にも貢献できるため、経済の発展のためにも役立つと考えられています。

IoT 活用の具体例

IoTはさまざまなところで活用されています。ここでは、IoTが活用されている具体例を紹介します。

生活

自宅で利用できるスマート家電が増えています。スマートフォンと連携させられる家電も多く、たとえば外出中に外部からスイッチを切り替えられる家電もあります。使用状況を計測し、無駄がないかスマートフォンからチェックできる家電も販売されるようになりました。

医療

医療の現場向けのIoT技術として、「スマートベッドシステム」があります。ベッドにセンサーが搭載されており、患者の呼吸数、心拍数、睡眠状態などを自動で測定できる仕組みです。ここで得られたデータは電子カルテシステムなどとリンクできるため、計測だけでなく共有する際のミスもなくなります。医療関係者の負担を軽くしつつ、適切な処置を実現しやすくします。

スマートベッドシステムにはオプション機能も追加でき、各医療機関のニーズにあわせた導入が可能です。

物流

物流業界でもIoTをはじめとする最新テクノロジーが積極的に活用されており、その取り組みは「ロジスティクス4.0」とよばれています。たとえば、商品の仕分け、棚入れ、棚卸し、ピッキングなどの各作業に対して、最新のシステムを導入しています。GPSやセンサーを活用したIoT機器により、高精度な在庫管理やトラッキングを実現しました。

配送作業にもIoTの技術が活用され、どのような配車ルートが効率的か分析しています。

交通

交通の分野でも、IoTにより便利なサービスが生まれています。高速道路では混雑状況や区間ごとの所要時間がわかるようになり、今後の交通状況も予測できるようになりました。

また、バスの現在地もすぐに把握できるようになりました。バス停にQRコードを表示し、利用者が運行状況をその場で確認できるようにしているバス会社もあります。リアルタイムの交通情報が得られ、それぞれの状況に応じて最適な移動手段を選ぶために役立ちます。

農業

IoTを活用している農業は「スマート農業(スマートアグリ)」として知られており、次世代型の農業として期待が寄せられています。たとえば、野菜のハウス栽培にIoTの技術を取り入れ、日差しや土の状態をセンサーが検知して最適な量の水や肥料を与える仕組みが構築されています。

自動的に野菜の世話ができるため、作業する人間の負担を軽減可能です。農業従事者が減るなかでも、IoT技術の活用により生産性を維持できると考えられています。

IoTに必要な技術と課題

今後、IoTはどのように活用されるのでしょうか。ここでは、IoTに必要な技術と課題について解説します。

今後のIoTの発展を支える技術

IoTを支える技術として、次世代通信技術の5Gが注目されています。5Gには高速大容量、多数同時接続、低遅延の特徴があり、IoT機器が取得した膨大なデータもスムーズに送受信できるからです。

また、ほかにもLPWAとよばれる通信技術に期待が寄せられています。LPWAは「Low Power Wide Area」の頭文字をとった表現であり、特徴は省電力、広範囲、低コストなどです。通信速度はそれほど速くないものの、IoTの技術に貢献すると考えられています。

IoTを活用するうえでの課題

IoTではたくさんのデータを収集でき、それを有効活用するためには分析が不可欠です。ビッグデータを適切に分析するには、専門的なスキルが必要となります。ただし、最新技術に対応しなければならないため、人材は不足しているのが現状です。IoTを活用するうえでは、一定のスキルをもつ人材の確保が大きな課題となっています。

まとめ

IoTの技術を使えば、さまざまな分野で多くのことを実現できます。すでに各分野でIoTが導入されつつあり、今後はますます活用の幅が広がっていくと予想されます。IoTを有効活用し、効率化や生産性の向上を目指しましょう。

ソニーセミコンダクタソリューションズグループが提供しているSpresenseは、省電力や演算能力に優れています。複数マイクでの集音も可能なため、幅広く利用できます。IoTを導入するために、ぜひ活用してください。

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