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AIを活用した医療のメリットとデメリットは?事例も未来予測も紹介!

近年の医療現場では、AIを活用した診断や検査がおこなわれはじめています。この記事は、AIを活用した利用に興味がある方、もしくは実際に医療現場に従事されている方向けです。AIを活用した医療のメリットやデメリット、事例、未来の展望を解説していますので、AIを活用した医療現場の実現に、ぜひお役立てください。

目次

AIを活用した医療とは

AIとは、人工知能のことで1950年代から開発が進められてきました。近年ではディープラーニングの発達とビッグデータの活用により、AIは飛躍的な進歩を遂げています。私たちの身近な生活のなかでも、AIを使った技術が数多く用いられています。主に、教育現場やIT産業でもAIが活用されていますが、医療の現場も同じく活用されはじめているのです。

たとえば、AIを使って検査データから患者の状態や特定の疾患を読み解いたり、患者のカルテのデータを解析して収集したりする実験も進んでいます。今後、さらにAIを活用した医療が進むことで、現在医療現場が抱えている人手不足の解消や医療費問題の解決が期待されます。

AI医療のメリットとデメリットとは

ここからはAI医療のメリットとデメリットを解説します。

AI医療のメリット

AIを使った医療をおこなうことで、医師が気づかなかった治療法が、膨大な構造データから生まれることもあるでしょう。その結果、必要のないナースコールや、無駄があった医療の過程が減るので看護師の負担が減ります。すでに最先端の医療機関はAIを導入した医療を進めており、治療の精度の向上、効率化、コスト削減に成功しています。

そのため、通常の医療機関にもAI医療が導入されるのが当たり前になる日も近いでしょう。AI医療を導入することで、必要なデータの抽出や膨大なデータの読み込み、処理などが可能となり、医療現場全体の負担軽減にもなります。

AI医療のデメリット

反対に、AI医療のデメリットも少なからず存在します。たとえば、AIは学習したデータをもとに行動するため、学習していない症状に対応することはできません。また、AI医療の基盤となるディープラーニングの仕組みはブラックボックス化しているため、エンジニアでも制御できない暴走が起きる可能性もあります。

さらに、AI医療が当たり前になってくると、医師がAIの判断に依存してしまう可能性も否定できないでしょう。

AI医療の導入例

AI医療の導入例は以下のとおりです。

1.医用画像AI分析

2.生活習慣病気リスクの予測

3.診断をスマホでできるAI医療アプリ

4.ディープラーニングを使った画像診断システム

5.人工知能による診療支援システム

6.意思決定支援システム

1.医療画像AI分析

医療画像AI分析とは、画像AI分析技術を使うことで、人間の見落としリスクを軽減できるAIです。たとえば、医師が画像を比較する場合、どうしても作業による疲労が発生します。疲労がある状態では、見落としや分析不足が起きる可能性も否定できません。しかし、医療画像AI分析を使うことで、医師による作業の負担を軽減できます。その結果、医療ミスの削減にもつながります。

また、これまで人間が行っていた検査をAIに代替できるため、時間も削減できます。人間が検査をおこなうと見落としがちだったり、発見できなかったりした悪い菌を見つけることも可能です。医療画像AI分析は具体的に以下のデータを集めて特定していきます。

・放射線画像

・超音波画像

・内視鏡画像

・眼底検査画像

・皮膚疾患画像

・病理画像

2.生活習慣病気リスクの予測

生活習慣病に起因する病気の発症率も、AIが予想できます。この技術は既にビジネス化されており、生活習慣病のリスク予想以外にも、健康保険料がどのくらいかかるかも予想できます。そのため、医療事務の負担や人件費も抑えられます。

3.診断をスマホでできるAI医療アプリ

スマートフォンで診断をおこなえるAI医療アプリもあります。具体的には、体調が悪くなったときに、どの診療科にかかればいいのか、どんな病気なのかといった悩みを解決してくれるアプリです。最近ではほとんどの人がスマホのアプリを活用しているので、近い将来このアプリがなくてはならない存在なる可能性もあるでしょう。

たとえば、国内で導入されている事例に、AI医療アプリがあります。これは口コミで評価の高い病院の検索やスマホでおこなえるオンライン診療、AI診断による病名の推測、自宅に薬や処方箋を配送してくれるといった機能があるアプリです。また、ウェアラブル機器を使って、ボケ、難病、発作を検知して予防に役立てる方法もあります。

4.ディープラーニングを使った画像診断システム

ディープラーニングを使った画像診断システムとは、CT画像やレントゲン、網膜眼底画像からAIが病気のリスクを予測できるAIです。医療現場の負担軽減と病気の発見に役立ちます。

5.人工知能による診療支援システム

人工知能による診療支援システムは、診察の際に医師と患者の対話をAIが認識し、それらをもとに患者の病名や症状、推奨する薬剤や検査を提案してくれるAIです。

6.意思決定支援システム

意思決定支援システムとは、がん患者の遺伝子データを入力することで、速やかにAIが遺伝子情報を呼び出してくれるAIです。代表的なシステムにアメリカのIBM社が開発した「Watson(ワトソン)」があげられます。

AIによる医療現場の未来とは

AIによる医療現場の未来は以下の分野で予想されます。

  • 医療品の開発
  • 手術
  • 介護
  • ゲノムの研究
  • ウェアラブルデバイス

1.医療品の開発

AIの技術が医療現場に普及することで、医療品の開発が進むことが期待されます。たとえば、ビッグデータ活用することで、過去に蓄積された膨大なデータを分析、解析してさまざまな情報を見つけることが可能になります。

それらの分析、解析したデータをもとに、AIに過去の症例や研究結果を学習させることで、研究のコストや時間を削減することができて医療のプロセスを効率化できます。その結果、医療品の開発に役立つことができるのです。

2.手術

AIが医療現場に普及すると、手術のAIを使っておこなうことができると予想されています。これまでも手術ロボットは医療現場で使われることはありましたが、AIは搭載されていませんでした。AIが搭載された手術ロボットが開発されることで、医師が現場にいなくても正確な手術をおこなうことができます。

また、AIロボットは人間とは違って疲労をためないため、ヒューマンエラーもなくなることが期待されています。

3.介護

介護の分野でもAIが導入されることでさまざまメリットが期待されます。そのひとつに、AIが搭載されたロボットが介護業界に導入されることで、介護業界の深刻な人手不足の解消があげられるでしょう。現在、より人間の脳に近い高度な判断や、人の感情を読み取れるロボットの開発も進んでいます。

人の気持ちに寄り添うことは介護に携わるうえでも重要です。感情のこもった会話ができるロボットは、介護現場の深刻な現状を好転する存在として期待できます。ロボットが人の代わりにコミュニケーションを取ることで、介護士の負担が軽減できるのです。

4.ゲノムの研究

ゲノムとは、生物が持っている遺伝子情報のことで、遺伝子と染色体から合成されています。医療や創薬、生命現象の理解、その他の応用研究を発展させることが目的の研究分野です。この分野でもAIが導入されることで、飛躍的な進歩が期待されています。

AIにゲノムのデータを学習させることで、どんな病気が起こりやすいか可能性を予測できます。また、未知の疾患や化合物が、人類にどんな影響をおよぼすかも予測可能になるでしょう。

5.ウェアラブルデバイス

ウェアラブルデバイスとは、頭や手首、腕などに装着するコンピュータデバイスのことです。すでに腕時計型のウェアラブルデバイスなどは普及しはじめています。ウェアラブルデバイスとスマートフォンを連携することで開発が加速しました。ウェアラブルデバイスを用いたIoTソリューションには、運転者見守りや高齢者、要介護者見守りなどがあります。

最近では、医療分野での活用も始まっています。心臓疾患や糖尿病等の症状モニタリングのためにウェアラブル機器を使用するケースも出てきました。これらにより医療従事者、患者双方に負担ない治療を行うことができるようになってきました。

まとめ

昨今の医療現場では、AIを活用した診断や検査がおこなわれはじめています。AIを医療現場に導入することで、医師や看護師の負担の軽減や病気の早期発見、ヒューマンエラーの削減につながります。現在でも最新の医療機関ではAIを使った医療がおこなわれていますが、今後は一般の医療現場でも普及されていくでしょう。すでにさまざまなAIを使った医療の導入事例もあります。

ソニーが開発したSpresenseは、IoT向けのセンシングプロセッサが搭載されたボードコンピュータです。Spresense メインボード単独でも動作することができ、各センサーからの情報などをLTE-Mネットワークを利用して送信することも可能です。ウェアラブルデバイスの導入を検討の際は、ぜひ検討してください。

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