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IoTを開発するには?必要なスキルや開発の流れについて解説

さまざまな分野においてIoTの導入が進んでいます。IoTを開発するためには、複数の工程が必要です。この記事では、IoTを開発したいと考えている人に向けて、IoTの開発に必要なスキルとともに開発の流れなどを解説します。IoTをスムーズに導入するために、ぜひ参考にしてください。

目次

IoTとは何か?

そもそもIoTとはどのようなものなのでしょうか。ここでは、IoTの意味や仕組みについて解説します。

IoTの意味

IoTとは「Internet of Things」の略であり、日本語で表すと「モノのインターネット」という意味です。IoTの技術を利用すれば、ありとあらゆるモノがインターネットに接続できる状態になります。

IoTの仕組み

IoT機器には、カメラ、センサー、無線通信などの機能が搭載されています。これらの機能によりデータを取得し、インターネットを通じてほかのモノへ共有する仕組みです。この仕組みを使えば、モノだけでなく人とも情報をやり取りできます。

IoTの開発により実現できること

IoTを開発すると、さまざまなことを実現できます。ここでは、具体的に実現できることについて解説します。

遠隔操作する

IoTはインターネットに接続しているため、離れた場所にあるモノの遠隔操作も可能です。たとえば、外出先から自宅のエアコンの電源を入れたり、温度や風量を調整したりできます。

状態を把握する

IoTなら、離れた場所にあるモノや人がどのような状態にあるかについても把握できます。たとえば、ペットにIoTの機能が搭載された首輪をつけ、飼い主が外出先から健康状態を確認できるようにするサービスも登場しています。

動きを検知する

IoT機器のカメラやセンサーにより、周囲にあるモノや人の動きも検知可能です。たとえば、IoTにより、混雑状況や運行状況をチェックしているバスや電車も存在します。人を検知して自動的にブレーキをかけられる自動車にも、IoTの技術が使用されています。

情報を通信でやり取りする

IoTでは、インターネットを通じてモノとモノ同士がデータをやり取りできます。モノとモノを連携させ、自動化することも可能です。たとえば、AIが搭載されたスピーカーに話しかけるだけで、部屋の照明をつけられる仕組みがあります。

IoT開発のために必要な知識や技術

IoTを開発するためにはさまざまな知識や技術が必要です。ここでは、具体的にどのような知識や技術が必要なのか解説します。

ネットワーク

IoTを開発するには、モノをインターネットやクラウドにつなぐ必要があります。そのため、ネットワークに関する知識や技術を身につけておきましょう。ネットワークの基本だけでなく、Wi-Fi、モバイル通信、Bluetoothなど幅広い分野について把握しておくべきです。

セキュリティ

IoTはネットワークを通じて膨大なデータをやり取りするため、さまざまなリスクがあります。たとえば、外部から攻撃を受けて情報漏洩が発生する恐れもないとはいえません。安全にIoTを利用するためには、セキュリティに関する知識や技術も必要です。さまざまなリスクを考慮し、それに適した対策を講じましょう。

電気設計

IoTの開発において機器とセンサーを接続するためには、電気部品や電子回路に関する知識も必須です。それらの知識があれば、センサーの出力方式やボルト数などを適切に判断するために役立ちます。正しい知識を身につけていないと、誤った判断によりセンサーや部品を故障させる恐れがあるため要注意です。

組み込みシステム

組み込みシステムとは、機器に搭載されているコンピュータを制御するためのシステムです。家電などにIoTの機能を組み込むために、組み込みシステムに関する知識や技術も学んでおきましょう。

IoTの開発においては、それぞれの機器でエラーが起きないように制御するための仕組みを組み込む必要があります。正しく機能させるためには、IoTではセンサーがどのようなデータを取得して機器を制御しているかについても理解しておかなければなりません。

組み込みシステムについて理解するには、プログラミング言語に加えてハードウェア全般の知識が必要です。

信号処理

信号処理とは、データを電気信号に加工するための技術です。具体的には、音声信号、光学信号、電磁気信号などさまざまな信号に加工します。IoTにおいてはデータがさまざまな信号でやり取りされており、IoTの開発のためには信号処理の知識や技術も必要です。信号がどのように入出力されるかについて理解しておきましょう。

AIや機械学習

IoTにはAIや機械学習の技術も多く取り入れられています。AIや機械学習の技術は、便利で役立つIoTを開発するうえで重要な役割を果たします。IoTにAIや機械学習を取り入れるには、認識や予測に関するシステムを正しく組み込むための知識や技術が必要です。

IoT開発の具体例

さまざまな分野でIoT開発が進んできます。ここでは、各分野のIoT開発の具体例を解説します。

交通

交通においても、運行状況を把握するためにIoTの技術を活用可能です。IoTによりバスの運行状況をリアルタイムでチェックし、到着時刻を予測する仕組みが開発されています。乗客はQRコードやWebサイトの利用により、それぞれの情報を簡単に確認できます。

医療

医療分野ではウェアラブルデバイスの活用により、患者が機器を装着するだけで体の状態を常に把握できるようになっています。医療分野でのIoTの活用には大きな期待が寄せられており、医療やヘルスケアに関するデータをオンラインでつないで活用する方法は「IoMT」とよばれています。

物流

物流においてはさまざまな作業が発生しますが、IoTの活用により効率化が進んでいます。たとえば、配送や在庫管理などにIoTが活用され、作業を自動化しているケースも増えてきました。物流におけるIoTの活用は、労働力不足の解消にもつながると考えられています。

製造業

製造業の工場では、業務用のロボットが導入されています。IoTの技術により、ロボットの稼働状況に関するデータがネットワークを通じて共有される仕組みです。IoTの活用により自動化された工場はスマートファクトリーとよばれており、生産性の向上に大きく貢献しています。

農業

IoTを取り入れている次世代の農業は、スマート農業とよばれています。センサーにより日射量や土壌の状態などを自動で感知でき、水や肥料を与えるタイミングも調整可能です。さまざまな作業を自動化できるため、労働力不足の問題解消にもつながる可能性があります。

自動車

自動車にIoTを取り入れ、スムーズかつ安全に運転できるようするための研究が進められています。たとえば、自動車とスマートフォンを接続し、自動車にカーナビを搭載しなくてもルートを確認できる機能も登場しています。

住宅

IoTの技術を有効活用している住宅は、スマートハウスとよばれています。たとえば、玄関を施錠するとセキュリティシステムが作動し、住宅全体の鍵がかかっているか自動的に確認できる仕組みも登場しています。各家電の稼働状況についても、まとめて管理可能です。

IoT開発の要件定義から運用・保守までの流れ

IoTを開発するためには、さまざまな工程があります。ここでは、要件定義から運用・保守までの流れについて解説します。

要件定義

要件定義とは、どのような内容のIoTを開発するか明らかにするためのものです。開発の目的とともに、IoTの機能や運用方法などを決定します。同時に、開発にかけられる予算、期間、人員などについても検討しましょう。

設計

設計では、具体的にどのようなIoTを開発するか決定します。まず外部設計により、必要な機能について洗い出しましょう。大枠が決まった後は、さらに内部設計で詳細を決めていきます。コードやプログラムなどを設計し、開発のための作業を実際に進められるようにします。

プログラミング

設計した内容に従い、プログラミング言語を使ってシステムを構築します。設計した内容を正確に表現するためには、プログラミングに関する専門的な知識とスキルが求められます。

テスト

構築したプログラムが正しく作動するか確認します。まずは細かい部分に問題がないかチェックし、そのうえで全体の処理能力や処理速度などをテストします。これらのテストは、実際に運用し始めてからスムーズに利用するために重要です。

リリース

システムがすべてのテストをクリアすれば、現場での運用を開始できます。すべてを一度に切り替える一斉移行の場合もあれば、一部から少しずつ移行する場合もあります。状況にあわせて移行しましょう。

運用・保守

システムの運用を開始した後も、モニタリングし続けます。不具合が生じた場合はすぐに確認し、原因を特定したうえでシステムを修正しなければなりません。改善できそうな部分を積極的に探し、アップデートも行いましょう。

IoTを開発するための知識や技術を身に付ける方法

IoTを開発するためにはさまざまな知識や技術が必要です。それぞれ独学でも学習できます。ただし、より高度な知識や技術を身につけるためには、専門のスクールに通うと効果的です。専門のスクールでは、IoTの開発に必要な知識や技術を深く理解しているプロが講師を努めています。体系的に学習できるため、スムーズにスキルアップできます。

今後ますます活用の幅が広がるIoTの将来性

業界や分野を問わず、幅広いところでIoTが活用されています。市場規模もどんどん拡大しているため、今後もますますIoTの活用が進む可能性が高いです。それに伴い、IoTを扱えるエンジニアの需要も急速に高まっています。IoTの活用は始まったばかりであり、将来性にも大きな期待が寄せられています。

まとめ

IoTを活用すれば、さまざまなことを実現できます。すでに幅広い分野でIoTが活用されており、今後もIoTはさらに大きな注目を集めると考えられます。必要な知識や技術を身につけ、有用なIoTを開発しましょう。

Spresenseは、Arduino互換のボードコンピュータであり、ソニーセミコンダクタソリューションズグループ独自のセンシングプロセッサCXD5602を搭載しています。 乾電池でも動くほどの低消費電力ながら、本格的なエッジコンピューティングを実現しています。IoTの開発のためにぜひ活用してください。

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